No.173 本気力・・・(3)

2012/07/15


≪ 本気力(3) ≫

本気力は情念

最高の環境、最高の設備、最高の技術。

これが理想の姿なのでしょう。
私にはそれ以上大切なことがあります。

前に立ちはだかる強いものがないと向かう姿勢が
作れません。

立ちはだかるもの、それは自分と過去に習った先生です。
すでにこの世にはいないのですが
私に書を教えてくれた先生。

いつになっても立ちはだかっています。
越えよう越えようと努力すればするほど
大きく立ちはだかり、ますます偉大さに気付き
手の届かないことを知ります。

本気になってやるほど、その差を知ります。
本気力を出すことって自分の未熟さを知ることです。

以前、書歴も長く、指導歴も数十年、とても巧みな筆使い申し分ないほどの技術、
満点と言うほどの書を見て 何かが足りない、瞬間に浮かんだのは「情念」がたりない。
それに気がついた彼女は次に素晴らしい、見違える作品を書きました。

先日高校生が来て部活でも書道部で活躍、書いてる姿を見て
何かが足りない、上手くなったと同時に器用さにおぼれている。
「そんな書き方じゃ駄目、もっと真剣に本気で書くように」と
書き方の見本を見せて、倍の時間をうかって書かせました。

中学生の妹が見ていて書きあげたのを
「お姉ちゃんの今度書いたの何だかわからないけど
凄い!、別な人が書いたみたい!今度の方が私は好き!
さっきのは奇麗だけどつまらない。 」

といいました。

「本気力には何かを醸し出す、生み出す力がある」

のだと思います。才能がないからこれしかないんです。

  記    望月鶴川拝