No.169 花押・書:3人の名人(2)

2012/06/05


≪ 花押・書:3人の名人(2) ≫

二人目の名人も先日お会いしてた沢山お話してきました。

パソコンの手書き文字、楷書、行書を始めて書かれた方です。
部屋に閉じこもり数年、朝から晩まで文字を書き続け、ついに完成させました。

一日同じ文字を数万回書き、それでも次の日には気に入らなくて書きなおし
同じような文字を何度書いたことか、私が何年たっても追いつく事のない
師と仰ぐ素晴らしい方です。

お邪魔するといつでも筆を持っています。
その努力は尊敬するに当たり、その方いわく

「今はちょっとやって器用に書くとそれで満足する人が多く
師弟の関係はなくなった、望月さんとは生涯助け合うことができるね!
書は人なりというけど、その関係が私は嬉しい

と私が行くといつでも歓迎してくれます。
まるで指が筆ではないかと思わせる書き方、その達筆さは
目を見張るしかありません。

訪れるたびに私は家に帰ってから猛練習します。そして書いたもの持っていき
見てもらうことがあります。そのたびに
「私を越えてるよ。嬉しいね」と言われます。

私にはわかります。それは
「やっと一人前になったのだね、これからもっと勉強しなくては駄目だよ」
とその人は言って励ましてくれているのです。

まだまだ足元に及ばないのは自分が一番よく知っています。
良き理解者でかけがえのない大切な書の師であり人生の師です。

  記    望月鶴川拝