No.118  「 書の裏に人が見える 

2011/04/17

 
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    〜 書の裏に見えるもの 〜

書の裏に何が見えるのか?
練習の成果のほかにさまざまなものが見えるものです。

月に1回、2回、3回の人とそれぞれ異なります。

書いてきたものが一枚であっても、そこから感じるものがあります。

毎回たくさん書いてくる人、少しの人と違いますが、丹念にお手本を見て
ほんとに沢山練習したんだなぁと一目でわかる人もいます。
それが証拠に書いてきた10枚が前週に直したところが直して書いてきて
それも10枚が全く同じになってます。
一か月の間に何度か添削をするので、その都度練習を重ねています。

多分これ以上はこの人には無理だろうと思うくらいまで練習して
書いたのが良くわかります。
書いたものから見えるのは上手になったかどうかより、
その熱意の度合いが沢山見えてきます。

書の裏に人が見える

と云いますが、その通りで書かれたものに反映されるのは文字の他に
もっと大切なものが潜んでいます。

先日の講座でも写経を何枚も書いてきた人がいたり、花押を何回も書き直し
その文字の語源から調べてきて、わからないところを質問されたり、質問も又
その人の練習の度合いが現れます。
1枚のお手本を1年以上書き続けて見違えるくらいになった方もいて
本当にこの人は初めて筆をもったのだろうかと思う人もいます。

先日「読売展」の審査員をしてる方とお話し、同じことを言っていました。
又、数年前に写経の大先生とお話しした時も、一枚のお手本の価値が
わかる人と巡り合えるとうれしいものですね。と言っていました。

私も何十年前の一枚のお手本をいまでも出しては練習します。
きっとあの世で喜んでいてくれいるはずです。

書は人なり、物語があって、心のない書は
絵に描いた餅と同じで、書だけでなく全てに通じます。


 記    望月鶴川拝