No.115  「和綴本・・・長恨歌 」 完成

2011/3/29

 
  << 和綴本「長恨歌 >>

震災などのことで少し余分に時間がかかってしまいましたが
和綴じが出来上がりました。

途中間違えては全部書き直し、行を間違えたり、
慎重に書いても書いてもふっと間違えてしまいます。

根気と睡魔とやる気の勝負です。

表紙は見た瞬間に決めました。
他にもたくさん候補があったけど一番はこれにすぐ決まりました。

糊が濃かったのか表紙にいくぶんか波がうってしまいました。
それでも初めての和綴じ本なので満足です。

外も中もすべてオリジナル、お手製ということで大満足です。

綴じも若干曲がってしまったとこもあるけど良い感じで出来上がりました。

続いて第2作、3作以降の予定があり、最後には一番の大作が待っています。
生涯をかけた大作で、年内かけて創る予定でいます。

*すべての画像はクリックで拡大図が見られます・

1図:全体
全体は金をベースにした表紙で濃い朱と金がうまく合っています。

タイトルに工夫がなかったと反省しています。
糊の薄め方がたりなかったせいか少し表紙が波打ってしまいました。



■2図:綴じ方 
綴じ方はちょっと頑張ってみましたが、まぁまぁうまくいったと思います。
中綴じも見えませんがしっかりとめてあります。紐は紫色で細い紐が何本も重なっているものなので
選んだ時には、これがいいと思って使ってみましたが 、途中、その1本1本が絡んでしまって
大変な思いを何度もしてしましまいました。

普通の一本の紐だったらもっと簡単にできたのにと思いましたが後の祭りです。
それでも次回もこの紐が好きなので懲りずに使います。



■3図:隷書

<本文です、約800文字を最初は隷書で書きました。隷書でもどういう隷書にするか
迷いましたが王道で「曹全碑」を念頭に書きました。>

今回の大きな特徴は、この800文字近くを隷書・楷書・行書・草書の四書体で書きましたが
すべて崩し方も正字を使うのも辞書を調べずに今まで覚えてきた知識だけで書き切りました。
隷書はまぁ無難に書くことができました。



■4図:楷書
<楷書は始め六朝の造蔵記スタイルで書く予定でしたが「長恨歌」には合わないので
九成宮スタイルを使いました。>

楷書は大変でした。真剣に書けば書くほど硬くなって字が生きていなくて
書き直したり、途中で休みを入れると字の大きさが変わったり、その都度最初から書き直し
1枚のとこを10枚くらい書き直しとところもあります。

■5図:行書
<行書は以前書いた江戸時代の古文書方式を採用しました。>

行書は比較的楽にかけました。花押講座で手本にするために何度も書いたので
字が頭に入っていたので意外とすらすら書くことができました。
逆に調子に乗って他の字を書いたり正字を使わずに当用漢字で書いて書き直したり
した時もありました。


■6図:草書
<草書は連綿を多用し一気に書き上げるつもで王鐸や張旭の軽快な漢字で書きました。>
草書は楽しかったです。ほぼ草書はわかっていたので作品を書くように全体の調和や
行を考えたり、墨の付ける場所や、擦れも考えながら書くことができました。
全体が作品になるように文字が並ばないように、同じ文字の時は崩し方を変えたり
楽しんで書くことができました。

全体を通してみると天地(上下)をそろえるのが難しかったです。
バランス・余白は命なので、余白は絶えず頭に入れて書きました。

さぁ、これで準備は完了、いよいよ第2・3作目と進んでいきます。


 記    望月鶴川拝