No.064  「新井白石」花押

2010/01/12

 
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下記の花押は「新井白石」

江戸中期 6代将軍家宣 に使えた儒学者で歴史を得意とし 『 藩翰譜 』などの著書があります。

下の花押は白石の花押で几帳面な性格が出て「白石」を花押にしたものと思われます。
書き順は「白」を少し変えて中の線は石の一部です。
空間を見ると儒学者らしく法則に則った創作をしています。
いかにも白石らしさがあります。

白石は3歳で儒学を学び始め、9歳では毎日日課として
「日のあるうちに行書・草書を3000文字、夜に1000文字を書く」

『日本の名著』の中の新井白石の訳では
「冬になると、日が短くなって・・・中略・・・眠気を催すと着物を脱ぎ捨て
水をかぶり、手習いをし、又眠くなると2杯の水をかぶり・・・日課を終らす事ができる 」

30代半ばには総財産、銭3貫文、白米3斗で
「よしよし、すぐに飢え死にする事はないだろう。」と。

現代には当てはまる事はないかもしれませんが、その真剣さがこの花押には
白石の歴史が刻み込まれています。

「一筆の意味は一筆にあらず」
私はそう解釈しています。奈良時代の写経生も1日平均4000文字を書いたと
記録にあります。

まだまだ練習が足りない事を感じます。それを超えるまでは
胸を張って花押を書けますとは、「書」を書けますとは言ってはいけない様な
気がしてします。

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記    望月鶴川拝