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No.051 書・花押・本・イチロー

2009/10/15 

 
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下の写真を見ていただきます。

A: 書の古典の本
    ( 和綴じで用紙和和紙を使っています。

B: 少し新しくなって現代の用紙

C、C-1  その次に新しく改訂された写真も鮮明な本

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D; これは現在花押Oを勉強するのに使っている本

どこが違うかというとA-B-C と改訂されていくのに20年以上かかっています。
そして内容は、元は同じですが解説が全く違って、ドンドンわかりやすくなっています。

現在は更にその改訂版が出てもっとわかりやすく子供でも7書けるようになっています。
A7を使って勉強してた私は辞書を調べたり書く練習の前にも調べたり勉強が必要でした。

一冊の価格も高価で、その為に手本を買うのも大変でした。


A-B-C と進むに連れて安価になりCになってやって64冊全部解説書まで
揃えて勉強する事が出来るようになりました。

今の手本を見ると、書き順までわかりやすく書いてあって、
家に例えると

山から木を切ってきて、良い木を選んで熟練した大工さんがカンナで削って
家を建てたのが(それがAに当たります) 、今は工場で出来た既製品を買ってきて
マニュアルどおりに並べたら家が出来てしまった。
図面までパソコンで全部出来上がっていて、熟練とか勉強とかという世界とは
かけ離れた世界に入っていっています。


E は花押の研究所ですが、これも20年かかってやっと探して
  高いお金を払って手に入れた本です。

  私にとっては宝物です。でも人によっては簡単に 「 コピーしてくれますか?」
  と言われたことがあります。

 大切なものの価値が時代と共に変わってきています。

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 それが良いとも悪いとも思いません。
  簡単に出来る事は無駄な時間を使わなくて良いことなのでしょう。
  マニュアルどおりに学び早く覚えられればそれでいいのでしょう。

真面目に書の勉強をしてるとこんなことしていいのかなぁ。。。と
きっと思うでしょうね。

どちらも必要なんだと思います。時には合理的に、時には非合理的に。
私はどちらなんだろう。。。

パソコンで合理的に仕事をして、、、しかしその為に非合理的にパソコンを
使えるように自分で勉強して、HPも人がやってくれたらどれだけ楽になるだろうか。

講座のテキストも たった1行の文章の為に本を読み図書館で調べ時間を使い
1枚の手本のために何十枚、何百枚も書き。。。合理的にするために非合理的なことをしてる。

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簡易は人の目指すもので、今後益々簡易な世界、
マニュアルの時代に入っていくことと思います。

花押のマニュアル化。。。んんん。。。難しいなぁ。
でもこれは今後の大きな課題でもあり一生の大きなテーマだと思っています。

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先日、読み終えた遠藤周作の本の中に読書について書いてあり
一生のうちに好きな本は4〜5冊あればいい。
その4〜5冊を何度も読みかかれていない行間を読んでほしいと書いてありました。

その真意は「自分の本を読むときに11回読んだだけでわかったようなことを
言って欲しくない 、何度も読み返し、その行間に隠されたとこを感じて欲しい」

そういうことだと思っています。

イチローが100本安打を達成した時にインタビューに答えました。
「素晴らしいチームメイトと試合が出来てよかったですね?」 とp聞かれイチローは

私のチームメイトは「タレント」ではなく「人間」です。と答えていました。
彼もこの言葉は人間というヒューマニズムを物語っています。

遠藤周作の「行間」と全く同じ意味ですね。

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記 10月15日 記  望月鶴川